インターネットでかんたんに世界中のお洒落な部屋や家づくりの情報を見ることができる今、建築やインテリア業界ではない一般の方も、住まいに対するセンスが磨かれています。
家選びの基準もこれまでのような画一的な間取りではなく、個性的なデザインにも好みが分散されるようになってきました。
今回は他物件との差別化を狙い、現代人の目に留まるような『海外のハウスデザイン』を取り入れた家作りをご紹介します。住宅に対しての意識が高い海外の家を参考にして、新しい考え方も柔軟に取り入れていきましょう。
天井UPで空間を広く見せる
海外、とくに西洋やリゾート地の家と日本の家との一番の違いはなんといっても〝広さ〟。区画の広さが違うため日本では再現が難しいこともありますが、「広く見せる」「広く感じさせる」工夫はあります。
その中で『天井高』はとても重要なポイント。日本の家の平均的な天井高は2400ミリメートル程ですが、海外だと3000ミリメートルを超えることも多く、たとえ部屋の床面積が狭くても開放感があり広々として見えるのが特徴です。
天井高を高くする方法として、「極力天井裏の高さを最小にする」「天井裏自体を無くし、本来隠れている配管などはあえて見せてしまう」といった方法もあります。(写真①)
また、簡単な方法では天井と壁の境界線である廻り縁を無くす、または廻り縁のカラーを白色にして存在感を無くすことで天井を高く見せる効果があります。
他には、カーテンレールの位置を天井近くの高さにしてカーテン丈を長くすることで〝縦のライン〟が強調され高い天井の印象を持たせることが可能です。(写真②)
「天井裏を無くし、配管などをあえて見せる」「天井裏の高さを最小に抑える」といった工事で天井を高く。
構造によっては不可能なこともあるのでリフォーム会社とご相談ください。
カーテンレールの位置を天井の近くにしてカーテン丈を長く。《縦のライン》が強調されて天井を高く感じさせる効果が。
カーテンレール自体も『ボックス型』、『アイアン』や『木製の装飾レール』にすると、デザイン性も高まります。
間取りと家具配置発想を変える
日本ではリビングの家具配置を考える際に、テレビを中心として考えてしまいがちです。しかしそれではソファが部屋の真ん中に配置されてしまい空間を広く使えなくなります。
最近ではテレビを置かない家庭や、プロジェクターを使用する家庭も増えているので、これまでの固定観念を取り払い、いかに開放的に広々と使える空間にするかを考えていくのがポイントです。
なお、ホームパーティーが盛んな海外では、リビングは家族や友人とのコミュニケーションをとる場と考えられています。そのことからテレビではなくリビングテーブルを中心にソファや椅子が配置されることが多くあります。(写真③)
こういった海外風の生活をイメージしてみることも、家作りにおいて良い発想を生むきっかけとなるでしょう。
間取りに関しても同様に開放感を意識します。
例えば、間仕切り壁を固定するのではなく可動式の収納で区切り、状況によって動かし広々と使用できるようにしておく、他には『室内窓』を設け狭いお部屋の圧迫感解消を図るなどの方法があります。(写真④)
ディスプレイは大胆に
壁に飾る絵やディスプレイ小物は見栄えのする大きいサイズのものがお勧めです。絵は小さいもので数を増やし、まとめて一つの塊として飾ることで見栄えがします。
ディスプレイ用の小物は小さいものだとごちゃごちゃして見えてしまうため、遠くから見ても何が置いてあるか分かるくらいのサイズ感がちょうど良いです。(写真⑤)
素材感はリアルを追求
海外では『塗装壁』、『無垢フローリング』、『タイル床』などが主流です。
住宅の基礎となる床、壁、建具の素材は、物件の良し悪しを大きく左右するので、できる限り本物の素材に近いものをこだわって選んでください。
床材
コーティングされた艶のあるフローリングよりも、マットで天然の木に近いフローリングがおすすめ。またお手入れしやすく様々な表情を出せるタイルの床材、もしくは近しい柄のフロアタイルが安価でありながら日本には無い雰囲気を作り出せます。(写真⑥)
壁
塗装壁かそれに近い雰囲気のクロスがおすすめ。色はくすみカラーやアースカラーが今の人気色です。
また部分的にタイルや石、木目パネルを壁に貼り付けても素敵ですが(写真⑦)、クロスでそういった柄にする場合は、本物との見た目の差が大きいので注意が必要です。昨今は柄だけでなく凹凸がしっかりあるリアルなクロス商材も増えているので是非そういったものをお選びください。
建具
素材感を大事にしつつ、モールディングや框(かまち)の付いているデザインにすると、ぐっとハイセンスな海外風インテリアに近づけられます。